投資による資産運用の重要性が強調されるようになって、株式投資に興味を持つようになる方も増えているのではないかと思います。
もちろん株式投資による資産運用は生活防衛資金を貯めた上で10年以上は使わないような資金をベースに資産運用に取り組むのが基本です。
10年、20年しばらく使わないお金を銀行の口座から引き出し、資産運用に回すことで”死金”からお金を稼いでくれる”働くお金”となります。
2018年から株式投資を始めて色々試行錯誤してきましたが、着実かつ飛躍的な資産形成という観点からコア・サテライト戦略を実施しようと思います。
この記事ではコア・サテライト戦略についてお話します。
結局は自分のリスク許容度に合わせて、戦略をカスタマイズしていくのが良いと思いますので参考までに。

株式投資は始めてみると奥が深く、どのように運用するか迷います。
まずはご自身で退場しないレベルで色々と試してみることを推奨します!
こんな方に読んで欲しい
✔ 株式投資について興味を持ち始めた方
✔ 資産運用の方針・戦略について迷っている方
✔ 一般社会人がどういう投資を実際にしているのか参考にしたい方
株式投資で重要なこと
株式市場に残り続けること
株式投資で一番重要なことはどのような弱気相場、調整、暴落局面を迎えようとも市場に残り続けること、市場に残り続け続けることが重要です。
株式というシステムは1553年にイギリスから始まり、約500年間の歴史があります。
資本主義社会を支えるこの株式のシステムはこの500年間で市場は大きく成長を遂げ、多くの企業が株式会社であることから技術の発展、人々の生活の向上に役立っていると言えます。
その長い歴史の中で今の株式市場の中心は米国市場になります。この米国市場の強さを示す有名なデータがあります。
下のグラフは1802年~2012年までの株式(Stocks)、長期債(Bonds)、短期債(Bills)、金(Gold)、米ドル(US Dollar)の配当再投資込みの実質トータルリターンを示しています。
株式のリターンが他の資産と比較して大きくリターンをあげており約200年間で年率6.6%という成績です。
続いて長期債が3.6%、短期債が2.7%、金が0.7%、最下位として現金であるUSドル-1.4%という結果になっています。
日本人の大好きな現金所持が最下位どころかマイナスになっていることに驚いている方もいるかもしれませんが、これはインフレにより現金の価値が下がっていることを示しています。
この200年の間には世界恐慌、第一次・第二次世界大戦、ドットコムバブル崩壊やリーマンショックなど数々の世界的金融危機が発生し、株式は暴落してきました。
それでもなお、この200年のデータが示すのは株式市場は長期に渡り一貫して成長を続け投資家に利益をもたらしてきた、ということです。
途中で株式市場から退場してしまえばこの恩恵には授かれません。
右肩上がりの米国市場
近年の10年間であれば、コロナショックがありました。
下記のチャートは最も有力な米国市場のS&P500の指数を示しています。
コロナショック時には最高値から約34%もの大暴落が発生しました。それが今や(2021/8時点)怒涛の勢いで指数最高値を更新中です。
2015年からの比較すれば指数は倍以上になっています。

過去200年前から現在に至るまで、米国市場はいくつもの暴落を経て右肩上がりに成長してきました。
これらのようなデータがあるため、長期的な資産形成では株式投資を外すことはできません。
資本主義社会では、人口の増加とGDPの成長に伴い、世界経済は成長し続けることになるからです。
投資対象はどこの国が良い? GDPから考える!
ただし、これはあくまでも過去の出来事です。
将来のことは誰にも分かりません。
この経済成長、資本主義社会は続く!と思える方は株式投資を主軸に資産形成に取り組んでください。
コア・サテライト戦略
資産形成をしなければならない、だが実際に投資を始めてみると株式の他にも様々な投資対象があり、株式投資の中にも様々な市場や考え方があります。
正直、色々な投資手法があるので大勢の方がどのように資産形成をすれば良いのか戸惑うことになります。
様々な投資手法がある中で、1つ大きな指針となる投資戦略がコア・サテライト戦略です。
コア・サテライト戦略とは
資産運用において大事な資産を守りながら大きくしていくためコアとサテライト2つの役割に分けます。
コア:長期運用により、着実な資産形成をする“守りの運用”
サテライト:ハイリスク・ハイリターンな投資により、資産形成をブーストさせる“攻めの運用”
コアとサテライトの比率をどのようにすれば良いのか、それも個人の考え方、方針、リスク許容度(経験、性格、年齢、家族構成、収入、現金比率等)によります。
コアとサテライトの比率は個々の判断となりますが、コアが70~80%、サテライトが20~30%ほどにするのが基本です。
もちろん、自身の投資方針により100%コア資産に振りるという選択肢もあります。
投資をもっと過激に短期で資産を増やしたい、という方はもはやコアとサテライトの比率を逆転させても良いでしょう。
コア・サテライト戦略はあくまでも指針ですからコアとサテライトのパーセンテージは自身でカスタマイズし、40,50%の暴落が来ても問題なく眠れるように心地よい運用を心がけてください。
コア・サテライト戦略は絵のようにコア(核)を中心として、サテライト(衛星)が資産形成を補強しているイメージになります。

コア資産
コア・サテライト戦略では資産の大部分を占めることになるので何をコア資産とするのか、というのが重要になります。
株式投資を主軸に資産形成をする場合には市場・指数を網羅するようなインデックスファンドの”投資信託”や”ETF”をコア資産にするのがベターです。
”1つの籠に卵を盛るな”という有名な投資の格言が示すように株式投資の基本は分散投資です。
ETF
市場の中でも米国株を網羅する全米株式ETF(VTI)や有名な指数であるS&P500連動のETF(VOO)もしくは、全世界株式ETF(VT)などが代表格として挙げられます。
これらのETFはいずれもバンガード社というインデックス投資を生み出した会社が運用しているETFになります。
何をコアにする?という問題があればこの3つのETFを選択することがセオリーとなっています。
ETF名称 | VTI:全米株式 | VOO:S&P500 | VT:全世界株式 |
市場 | 米国 | 米国 | 全世界 |
特徴 | 米国株市場全体を投資対象とする。 大、中、小あらゆる時価総額の米国株式に投資する | S&P500指数に採用されている全ての銘柄が投資対象 米国の大型株に投資する。 | 先進国、新興国市場が投資対象 全世界の大、中、小型株に投資する。 |
設定日 | 2001/5/31 | 2010/9/9 | 2008/6/26 |
銘柄数 | 3,500社以上 | 500 | 約9,000 |
経費率/% | 0.03 | 0.03 | 0.08 |
年初来リターン/% | 18.93 | 19.52 | 14.97 |
タイトル | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
ただし、この3つのETFは株式への投資になります。
元本割れリスクがあるため、リスク許容度が低ければ債券を組み合わせることで資産の守りをさらに固める必要があるでしょう。
投資信託
ETFでの購入の場合にはドル$での購入となります。ドル資産を持つことに抵抗があればネット証券を通して投資信託を購入する手段があります。
紹介しているのはネット証券で購入できる投資信託の一例となります。
ETFと投資信託にはそれぞれの特徴があるので、自身でどのように資産を形成していくのか検討してみてください。
ちなみに投資信託であれば楽天証券、SBI証券ともに積み立ての設定ができます。米国ETFの場合、積み立て設定に対応しているのはSBI証券のみとなります。
積み立て設定は資産形成をするうえで重要なツールとなります。
感情無視の積み立ては資産形成を続ける手助けとなります。
積み立て設定をすればあとは自動ですから、手間がかからず非常に楽です。
サテライト資産
100%の運用資金をコア資産に振らない方は何をサテライト資産にするのか、というのが問題になります。
サテライト資産に関しては個人的に”趣味としての投資を楽しむ”くらいの感覚でも良いと思います。
資産形成は短期ではなく、20年30年と長期間を想定するためです。せっかく長く関わっていくのですから楽しみたいじゃないですか( ´∀` )
老後の趣味としても良いかもしれません。
日本株
日本株ではれば”株主優待”を設定している銘柄がありますから、そのような銘柄を選択して毎年の楽しみとして取っておくのもアリです。
私はKDDIやオリックスは高配当のうえ、カタログギフトの株主優待ももらえるので重宝しています。余裕が増えればもっと優待銘柄を増やし、楽しみを増やしたいと考えています。
配当金
配当金をもらうことも株式投資を続けるモチベーションになっています。
配当銘柄は所有しているだけで定期的に配当金を出してくれるので、本当の不労所得です。
配当金は再投資するのも良し、ちょっとした贅沢に使うも良しで”使い道を選択できること”がなりよりのメリットだと感じています。
グロース株投資
株式投資の醍醐味といえばこの売買による利益かと思いますが、簡単に出来るのであれば苦労はしません。
グロース株への投資はキャピタルゲインを得るうえで有効な投資でうまくいけば資産形成にブーストがかけられます。
グロース株投資でのおススメは米国株のIPOしたての銘柄への投資です。
やはり、新しい技術・サービスを作るという点においてはアメリカは強い存在感があります。毎年のように新しく画期的な事業をしている会社が上場しています。
そのような市場であれば購入金額の10倍値上がりを意味するテンバガー銘柄を狙うことも可能かもしれません。
決算、金利など株式の勉強にもなりますし、米国株は1株から購入できるのでリスクは小さいです。
もし、購入した銘柄の株価が紙くずになろうとも損失は限定的にできるでしょう。
逆にテンバガーになれば1万の投資でも10万になります。
夢がありますね!!
日本株であっても上がる個別株はあります。ですが日本株の場合には基本的には100株単位での購入になりますのでそれなりの元金が必要になります。
100株単位での購入はリスクが高まりますから慎重に取り組んでください。
最近では、1株単位で購入できるサービスも出て生きているのでそちらを利用するのも良いでしょう。
仮想通貨
ビットコインやイーサリアムなど数々の通貨が誕生している仮想通貨。ブーム時には億り人を量産したことで話題になりました。逆に破産者を出したのも多いのではないでしょうか。
仮想通貨はハイリスク・ハイリターンの投資として興味を持たれている方も多いと思います。
仮想通貨の話題は絶えることがなく、決算手段として確立しつつあり、驚くことに法定通貨にした国もあります。
最近では仮想通貨取引を事業とするコインベースが米国市場にて上場したことが注目を集めました。仮想通貨に投資するETFも新設され、機関投資家の注目も高まっています。
ですが、個人の発言で上がったり下がったりするほど安定性が低いジェットコースター資産です。ボラリティが大きいので、集中投資は絶対やめた方がいいでしょう。
それでも長期的には法整備や決算手段の確立が進んでいくことで仮想通貨の価値は上がっていくのではないかと思います。
資産の2~4%目安に投資しても面白いと思います。
その他
その他にもオプション取引やFXがあります。この辺りは経験したことがないので割愛します。
金、銀、原油、農作物などコモディティへの投資もありますが、社会人兼業の方が多いと思いますので本業に支障が出ない範囲での取り組みを推奨します。
最後に~自分なりのカスタマイズをして投資を楽しみましょ~

コア・サテライト戦略は投資家にとって投資戦略を検討するうえでとても参考になる指針です。
資産形成として投資をしている方にとっては資本主義の恩恵を受けること以上に、自分の資産を守ることが重要だからです。
コア(守りの)資産とサテライト(攻めの)資産比率は目標やリスク許容度によってご自身で考えてカスタマイズするのが良いでしょう。
様々な媒体で投資情報は得られる時代ですが、自分の資産を守れるのは自分だけだからです。
他の誰かが言ったから買った、という資産が暴落して無価値になったとしても誰も責任を取ってくれません。
リスクはつきものですが、自分で考えてカスタマイズして挑戦するって楽しくないですか?
自分で資金を振り分け、資産を育てていくのはまるで監督になった気分です。
自分のお金が関わってくるので真剣になります。笑
資産形成の段階で、知識が増えコア・サテライトの比率を変えたりサテライト資産として追加する資産もあるかと思います。
資産が増加すれば賞賛を、減れば反省を。
長い道のりになりますが一歩一歩頑張りましょう(`・ω・´)
あくまでも、余剰資金ですることをお忘れなく。
私のこれからの戦略は別記事にまとめようと思います。
現状の(反省中)資産状況はこちら→【一般社会人の投資】2021上半期 資産運用成績まとめ
以上、ありがとうございました!!
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